福井県小浜市に本社を置き、食品包装用の木製樽を製造する吉田桶樽商店。ITコーディネータ(ITC)の先織久恒氏と一緒に作成したホームページは、製品の販売に大きく寄与している。

 ホームページを立ち上げたのは、2011年10月。その直後、吉田桶樽商店は、「ホームページで木製樽の写真を見て、気に入った」という北海道の食品メーカーの営業担当から、問い合わせを受けた。食品メーカーの営業担当は、「木の樽はプラスチック製のものよりも美しいので、これを食品のパッケージング材として使用すれば、商品の見た目にこだわる人にきっと売れる」と判断して、あっという間に契約が決まったそうだ。

 先織ITCは、吉田桶樽商店のホームページの作成にあたって、地元のデザイナーとタッグを組んだ。デザイナーとともに、ホームページに載せる製品写真によって木製樽の美しさがそのまま伝わるように、写真の最適な撮り方やホームページでの見せ方を考えた。プロの力を借りて製品のユニークさをビジュアルに訴求するという先織ITCの戦略が効果を発揮し、北海道の食品メーカーの例にみられるように、吉田桶樽商店の売上拡大に直結している。

 吉田桶樽商店は、ホームページの活用がうまくいって、現在はさらなる販売拡大を目指している。今年3月に、福井県の和紙メーカーと提携した。冷凍食品メーカーをターゲットに据え、和紙を樽に入れることによって、解凍するときに食品から出る水分を吸収し、水分が外に漏れない仕組みにしている。和紙メーカーとのコラボレーション製品も、ホームページを通じて全国販売し、売り上げを伸ばしつつある。

 先織ITCは、「吉田桶樽商店がホームページの活用に力を入れ、目に見える成果を上げているのは、小浜市の他の事業者にとっても、ホームページを作成する励ましになっている」と語る。同氏は、小浜市で15社のホームページ作成を支援。そして、地元の他のITCやブロガーなどを巻き込んで、無償ホームページ作成ツール「みんなのビジネスオンライン(みんビズ)」の活用によって、地域経済を元気にするコミュニティづくりに取り組んでいる。

 そのコミュニティは、「みんビズ福井チーム」。次週のこのコーナーで詳細を紹介する。(ゼンフ ミシャ)