拡がり

平野精一 社長 2012年は景気低迷の影響を痛烈に受けた年だった。販売チャネル別にみると、全製品とも家電量販店経由が最も厳しかった。一方、ビジネス向けの製品は、すべてが対前年比100%(横ばい)で推移している。そのなかで総じて好調だったのはプロジェクターだ。文教向けに浸透し始め、とくにインタラクティブ機能のあるプロジェクターの認知度が高まり、実購入に結びついた。さらには一般企業向けについても手応えを感じるまでになった。プリンタは、レーザー、インクジェットともに、事務所内プリンタの「集中化」の波を受けて、本体の市場規模やプリントボリュームも減っている。
こうした環境下で、当社はモバイル・クラウドサービス「Epson Connect」を前面に押し出していく。家庭ではスマートフォンとWiFi、企業内では、クラウドとWiFiの両環境でプリンタが快適に使えるよう提案する。例えば、スマートデバイスを使う店舗などで、こうした提案をし始めて、徐々に評価が高まってきている。
2013年も、クラウドとスマートデバイスの相乗効果を発揮させて、プリンタを伸ばす。また、プロジェクターは、短焦点の製品などを含め、双方向会議やデジタルサイネージなど、新たな利用機会を増やす。とくに、机の上に投写できる当社のプロジェクターは、新たな使い方を生む可能性がある。すべての製品で、今までとは異なる使い方を提案し、新市場を開拓する。