ネクストステージ

片山俊介 社長 昨年度(2012年3月期)は、世界の全地域とも前年度比で売上高がプラスに転じた年だったが、今年度は欧州危機など世界情勢の影響や日本国内のレーザープリンタの需要減などに伴って苦戦を強いられている。
買い替え需要やカラー化の浸透など、プリンタ業界が予測してきたことが外れ、「勝ちパターン」をつくりにくい状況にあった。それでも、当社では、レーザープリンタに代わり、インクジェットプリンタが前年度に比べプラスで推移したり、法人向けパートナーが100社を超えるなど、2013年以降に向けて明るい材料も多かった。
振り返ると、2012年は「ネクストステージ」に向けた取り組みを実行した年だった。4月にはシースルー型ヘッドマウントディスプレィ「AiRScouter」を出し、5月に当社初となる「ジャスティオ」ブランドの「ドキュメントスキャナ」を投入したほか、9月には、新事業となるウェブ会議システム「OmniJoin」というサービスを開始した。
とくに大きなトピックとしては、次の成長に向けて既存ブランドを見直し、インクジェットプリンタの新ブランド「PRIVIO」を立ち上げたことが挙げられる。家庭向けとビジネス向けの製品を統合し、プリンタの新たな価値を創造する。2013年は、「PRIVIO」を前面に押し出し、得意分野のSOHO市場でシェア拡大を図るほか、プロユースの製品をソリューション販売できる体制を整える。