視点
中国IT産業ソフトウェア分野の三つの特徴
2015/12/24 16:41
週刊BCN 2015年12月21日vol.1609掲載
日本のIT産業、とくにソフトウェアの分野は、長らく中国と取引をしてきた。その理由は、ローコストで人材が豊富な中国は、廉価な日本向けのソフトウェア開発に適していたからである。しかし、中国の物価が高騰し、経済発展が進んだことによって、市場の性質が変化してきた。中国自体のIT産業が活発化し、国内向けのソフトウェア開発が台頭してきたのだ。こういった中国ソフトウェア分野の動向を理解するための三つの特徴を紹介したい。
1.魅力的な市場
工業和信化部のデータによると、2015年上半期の中国ソフトウェア産業の売上高は、2兆217億元で、増加率は17.1%、1月から5月までほぼ伸び率は一定である。この売り上げは、中国IT市場の規模を物語っている。ソフトウェアといえば、アップルやGoogleなどの米国企業がシェアを占めていたが、最近ではレノボや華為技術なども存在感を増している。これだけの大規模な市場は、国内外の投資家たちにとって魅力的であるといえるだろう。
2.法律整備‐著作権保護強化
中国のソフトウェアといえば、「海賊版」も気になるところかもしれない。確かに、当問題は目の上の瘤であり、今後の発展の一番の妨げになっている。しかしながら、著作権保護関連の法律も徐々に整備されてきている。10年に『中華人民共和国著作権法』が制定されたが、対象範囲、保護期間、使用法、譲渡法、法的責任などに対して的確に規定している。まだまだ完璧とはいえないかもしれないが、評価に値する改善である。
3.政府も支持
以前は海外頼りだったインフラに関するソフトウェア技術を、政府が中国国内の技術を優先させ、国内企業が資源を活用し市場開拓することを奨励したり、投資資金集めのためのリスク投資基金を設置するなどの政策を推進している。中国政府の支援を受けて、ソフトウェア分野はますます成長している。
以上の3点は、特徴の一部に過ぎない。目下、優遇されているのは中国国内企業であるが、今後はその波が外資企業にまで広がっていく可能性もあると思われる。もちろん、相応のマイナス面も存在するため、ソフトウェア分野のこれからの動向に注目していく必要があるだろう。
日本のIT産業、とくにソフトウェアの分野は、長らく中国と取引をしてきた。その理由は、ローコストで人材が豊富な中国は、廉価な日本向けのソフトウェア開発に適していたからである。しかし、中国の物価が高騰し、経済発展が進んだことによって、市場の性質が変化してきた。中国自体のIT産業が活発化し、国内向けのソフトウェア開発が台頭してきたのだ。こういった中国ソフトウェア分野の動向を理解するための三つの特徴を紹介したい。
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