
毛利隆重 社長 SIerの競争力の源泉は、人材活用にあるという原点に立ち返り、2016年のキーワードを「個を活かす会社」とした。企業や社会のあらゆるところにITが活用される今、ITそのものの多様性が強く求められている。こうした多様化に対応するためには、当社人材もまた多様性をもっていなければ対応することができないだろう。そこで「個を活かす会社」であり続けることで、ユーザーや社会の期待に応えていきたい。
15年を振り返れば、農業向けに害虫の種類を画像認識技術で特定するシステムや、同じく画像認識技術を活用して水産養殖業向けに魚の数を数える「NECフィッシュカウンター」を開発したり、農業ビジネススクールのIT支援を手がけたりするなど、地域に根ざしたビジネスに力を入れてきた。IoTやビッグデータ分析といった純粋なテクノロジーなら自前でなんとかなっても、今、例に挙げた農業や漁業については、現場での実証が不可欠で、ユーザーと一緒になって開発していく、ユーザーに鍛えてもらう場面がより増える。そうした意味で産官学との連携も一段と広げていきたい。
当社は北海道から九州までの地域SE子会社7社が合併して発足した会社だが、16年4月1日付で、当社グループ会社のNECソフト沖縄も当社に吸収合併する。これで北から南まで一つの会社、組織で対応できるようになる。16年も引き続き、地域に根ざしたビジネスを掘り下げていくことで、当社の強みを伸ばす。