ここに注目!ニッポンのパートナー戦略
<ここに注目!ニッポンのパートナー戦略>第46回 インタラクティブ・インテリジェンス(上) コールセンターにもパブリッククラウドの波
2016/09/28 16:04
週刊BCN 2016年09月19日vol.1645掲載
コールセンターソリューション市場において、ソフトウェアベースのオールインワン型製品に特化することでユーザーの支持を得ているインタラクティブ・インテリジェンス。今年、AWSを基盤とする新サービスを発表し、コールセンターのみならず一般オフィスにもターゲットを広げている。(日高 彰)
コールセンター向けソリューション市場は、情報システムと電話回線の制御を連動させる必要があることから、通信機器ベンダーやその系列のSIer・NIerの勢力が強い領域だ。それらのベンダーの多くは、PBXなど電話系のハードウェアを発展させる形でシステムを拡充してきたが、対して、1997年の創業以来ソフトウェアによってコールセンターのインフラを実現する戦略に特化してきたのが、米国に本社をおくインタラクティブ・インテリジェンスだ。 同社製品の最大の特徴は、各オペレータへの着信の割り当てといった発着信制御に加え、オペレータのマネジメント、通話録音、自動音声応答、パフォーマンスのレポートといった、センターの運営に必要なさまざまな機能を、複数の製品を積み上げる形で構築するのではなく、オールインワンで提供していることだ。専用のハードウェアに依存せず、機能ごとにライフサイクルが異なるといった問題がないため、コストの最適化を図ることができ、ユーザーには統一されたシンプルな使い勝手を提供できるのがメリットだ。 当初はオンプレミス型の製品のみを用意していたが、2011年からはコールセンターシステムをサービスとして提供する「Communication as a Service(CaaS)」の提供を国内でも開始。ユーザーの拠点には電話回線を収容するゲートウェイだけを設置すればよく、コールセンターシステム用に新たにサーバーを立てなくてもオンプレミス版と同等の機能を利用できる。このCaaSはユーザーごとに専用の仮想マシンを用意するシングルテナント型のサービスなので、パフォーマンスやセキュリティの要件が厳しい企業にも対応できる。 そして、オンプレミス版、CaaSに続く第3のソリューションとして今年3月に提供を開始したのが、コールセンターの機能をAWS上に構築(国内ユーザー向けには東京リージョンから提供)した「PureCloud」だ。PureCloudは、従来提供してきたコンタクトセンター向けの機能をサポートするのはもちろん、オフィス向けのコミュニケーション基盤としても利用できるサービス構成となっている。メッセージングやビデオ会議、オンラインストレージといった一般企業向けの基本機能を揃えた「Collaborate」版は無償で提供。それにIP-PBX機能を加えた「Communicate」版は1ユーザー月額2399円、さらにコールセンター向け機能を追加した「Engage」版は同8399円からと、パブリッククラウドの活用によってさらに低コストでの提供を可能にしている。 現代の企業では、メールやグループウェアに続いて、電話を含むコミュニケーションインフラ全体をクラウド化することで、運用コストを削減するとともに、より柔軟なワークスタイルを実現していこうとする機運が高まっている。インタラクティブ・インテリジェンスでは、PureCloudがこのような需要に最適なサービスであるとして、新たな販売パートナーの獲得に動こうとしている。(つづく)
コールセンターソリューション市場において、ソフトウェアベースのオールインワン型製品に特化することでユーザーの支持を得ているインタラクティブ・インテリジェンス。今年、AWSを基盤とする新サービスを発表し、コールセンターのみならず一般オフィスにもターゲットを広げている。(日高 彰)
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