ここに注目!ニッポンのパートナー戦略
<ここに注目!ニッポンのパートナー戦略>第49回 プライム・ストラテジー(下) CMS環境の保守を収益につなげる
2016/10/26 16:04
週刊BCN 2016年10月17日vol.1649掲載
クラウドに導入後、すぐにWordPressを安全・高速に利用できる仮想マシンの「KUSANAGI」。開発元のプライム・ストラテジーは、この保守サービスをパートナー経由で販売するパートナープログラムを開始した。オープンソースの特性を生かしたエコシステムを構築し、PHP開発の基盤として採用される機会を増やしていく戦略だ。(日高 彰)
今回、KUSANAGIパートナープログラムで募集を開始したのは、認定パートナーに相当する「Authorized Service Reseller」と、登録のみの「Service Reseller」の2種類。いずれも参加料金は無料で、「KUSANAGI公式サポートサービス」の再販または取り次ぎによる収益が得られるほか、KUSANAGIに関するセミナーの集客支援、販促資料など、営業・マーケティング面での支援が提供される。これらに加えて、上位のAuthorized Service Resellerはプライム・ストラテジーからユーザーの紹介を受けられるのが特徴だ。 Authorized Service Resellerとしてプログラムに参加するための資格は、KUSANAGIを用いた構築事例を自社のサイトで公開することだけだ。ただし、ユーザー企業の実名入りが条件。プライム・ストラテジーも大手企業の事例を公開したことにより、ビジネスが大きく拡大した経験をもつことから、事例紹介には力を入れているという。ユーザーへの取材や記事制作に必要な費用はプライム・ストラテジーが負担する。 9月には、KUSANAGIの最新版となるバージョン8をリリースした。従来はWordPressの使用を前提としたソフトウェア構成だったが、このバージョンからは導入時のオプション指定により、CMSとしてWordPress以外に「concrete5」および「Drupal 8」も選択可能となったほか、CMS無しのシンプルなLAMP/LEMP(Linux+Apache/Nginx+MariaDB+PHP)環境として使用を開始することもできるようになった。PHPでのアプリケーション開発を手がけるベンダーに、より広くKUSANAGIを基盤として使ってもらうことがねらいで、concrete5、Drupal 8については保守サービスの提供も準備している。 前回(週刊BCN 1647号)述べた通り、KUSANAGI自体はオープンソースで提供され、今回のパートナープログラムはその保守サービスを商流の対象としているのが特徴。「ウェブサイトの新規構築やアプリケーション開発は得意だが、サーバー環境のメンテナンスには自信がない」というパートナーも、基盤部分はKUSANAGIを無償で利用して開発に集中しつつ、保守サービスとして「KUSANAGI公式サポートサービス」を再販することで、顧客のWordPress環境を安全な最新バージョンに維持し、継続的に収益を上げられるのがメリットだ。 KUSANAGIは、ある領域にフォーカスした技術的な強みと、オープンソースのエコシステムをうまく組み合わせることで、独自の商材開発に成功した好例といえるだろう。ただ、オープンソースといえども、現状のKUSANAGIはプライム・ストラテジーが1社でアップデートを行っている状態だ。現場の開発者からより支持される基盤となるべく、同社では今後パートナーと共に開発ロードマップを描いていきたいとしている。
クラウドに導入後、すぐにWordPressを安全・高速に利用できる仮想マシンの「KUSANAGI」。開発元のプライム・ストラテジーは、この保守サービスをパートナー経由で販売するパートナープログラムを開始した。オープンソースの特性を生かしたエコシステムを構築し、PHP開発の基盤として採用される機会を増やしていく戦略だ。(日高 彰)
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