プリンタメーカー各社は、オフィス業務を改革するオフィス・ソリューション事業に注力している。その中心となるのがクラウドサービスだ。富士ゼロックスは、自社やパートナー企業のクラウドサービスとの連携を強化し、企業の業務効率化を支援する。
ペーパーレス化といわれつつも、紙の資料は簡単にはなくならない。紙の資料をスキャンし、デジタル化しても、顧客に提出するために大量の紙の資料を印刷して持ち歩くフィールドワーカーは多い。大量の紙の資料を常に持ち歩くのはなぜかと突き詰めると、資料を印刷できるのが社内だけ、と場所に縛られているからだ。
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富士ゼロックスは、時間と場所を問わない複合機の活用、ひいては新たな働き方の提案として、クラウドサービス連携を提案する。
DropboxをはじめGoogleドライブ、Evernoteなどと連携し、複合機を使って紙の資料をデジタル化してクラウド上に保存する。このクラウド上のドキュメントに複合機からアクセスし、印刷できるようにした。
一人ひとりが保有するデータ量が増加の一途をたどる現代において、データの検索機能は必須だ。富士ゼロックスが提供する複合機とクラウドの連携を支えるサービス「Cloud Service Hub」の活用で、クラウドを横断した検索が可能になる。シーンに合わせてクラウドを使い分けながらも、検索時には一つのストレージとして横串検索を可能にしたことで、データを探す時間を大幅に短縮できる。
もう一つ、フィールドワーカーに提案したいのが「Cloud On-Demand Print」だ。PCやモバイル端末からクラウドサーバーにドキュメントを登録し、他事業所やホテルなどの複合機や全国のセブン-イレブンのプリンタで出力(ネットプリントサービス)することができる。営業時や出張中、イベント参加の際など、現地で必要なだけ出力できるので、常時紙の資料を持ち歩く必要がなくなる。
さらにドキュメントデータをPCやUSBメモリなどに保存して持ち歩くと、紛失や故障によるデータの流出・喪失のおそれがあるが、クラウドを活用することで、これらを回避できる。なお、セブン-イレブンのプリンタを使用できる「ネットプリントサービス」は、利用代金の一括精算を利用することで、経費精算の手間を削減できる。クラウドを活用することで、時間と場所の縛りから顧客を自由にし、業務効率化を支援している。(つづく)
<プリンタ×クラウド>第2回 富士ゼロックス(下)紙の出入口からクラウドの出入口へ