第三次人工知能(AI)ブームといわれる今、さまざまなITベンダーがAIに取り組むとともに、AIベンチャーも立ち上がってきています。しかし、ほとんどは関東中心。京都に開発拠点を置くエクサインテリジェンスは、関西発AIスタートアップとして関東勢に負けない力を示しています。
Company Data会社名 エクサインテリジェンス
設立 2016年2月
所在地 東京都文京区(本社)
事業概要 機械学習を用いた画像・データ解析技術にもとづくソリューションの提供、産業分野・医療分野における人工知能を用いたソリューションの提供
URL:http://exaintelligence.jp/ どんな会社なの? 
古屋俊和代
表取締役CEO
AIのアルゴリズムを開発しています。
エクサインテリジェンスは2016年、古屋俊和代表取締役CEOと、ディー・エヌ・エー(DeNA)元会長の春田真氏が共同で設立しました。機械学習、ディープラーニングなどの技術を活用したAIのアルゴリズムを開発し、製造業や医療業界の企業と共同でサービス化に取り組んでいます。
例えば製造業では自動車メーカーなどから自動運転の研究で引き合いがあります。医療業界向けには、医師の診断をサポートする仕組みを提供。実際にCVイメージングサイエンスや、国内で最も多く心臓のMRI検査を実施しているCVICと連携して、MRIから冠動脈狭窄をAIが判定するシステムの共同研究を行っています。これらの業界のほかにも、人材サービスやウェブ系に利用されています。
また、自社サービスも開発中。古屋CEOは、「誰にでも使えるようなAIのプラットフォームをつくり、大手企業向けだけでなく、中小向けにもパッケージ化して提供していきたい」と話します。
御社の強みは?産学連携が強みです。
産学連携が同社の強みで、古屋CEOは、「大学の研究者の協力を得ながら開発しており、最新の研究をサービス化できる」とアピール。実際に、同社では早稲田大学基幹理工学部の尾形哲也教授、京都大学情報学研究科の鹿島久嗣教授をアドバイザーに迎えています。ほかにも、関西に研究開発拠点を設けていることから、AIを研究している関西の学生を中心に人材を集めています。
今後の事業の方向性は?「ロボット×AI」に力を入れていきます。
製造業における、これまで人手で行っていた仕分け作業をロボットが代替することに注目しています。古屋CEOによると、現状はまだ研究段階で実用までは至っていないとのことですが、「従来のAI技術では難しかったところが、ディープラーニング技術の発展によって可能になると考えている。ここに参入したい」と意気込みをみせています。
よろしくエクサインテリジェンス
営業拠点となっている東京に本社を置くものの、開発の中心は京都。人材を集めるのも関西が中心です。古屋CEOいわく、「関西でAIで取り組む企業は少なく、優秀なエンジニアでもほとんど働くところがない」。その点、東京よりも人材が集めやすいのだとか。
古屋CEOは、同社の強みについて、産学連携のほかにも、「企業の業界や規模に制限はかけず、オープンなマインドで取り組んでいる」ことだと話します。エクサインテリジェンスは「関西発AIスタートアップ」でイッポ前へ!