既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新
<既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新>(45)宅配ボックスにブロックチェーンを活用
2017/06/14 09:00
週刊BCN 2017年06月05日vol.1680掲載
ショッピングセンター事業を展開するパルコとセゾン情報システムズが、ブロックチェーンを活用した宅配ボックスの実証実験を共同で行う。社会問題化している再配達問題解消に貢献することができるか。(取材・文/本多和幸)
セゾン情報システムズは、昨年4月、社内の各部署やユーザー、外部のベンダーと連携し、旬の技術を活用した新しいビジネスを開発するための組織として、テクノベーションセンターを設立した。このテクノベーションセンターを中核として、ブロックチェーンを活用したソリューションの開発・実用化に取り組んで
いる。
昨年12月には、GMOインターネット、GMOグローバルサインと共同で、ブロックチェーンとIoTを活用した「本人のみが受け取れる宅配ボックス」を開発し、その実証実験を行ったと発表した。
同社はもともとSIerだが、グローバル市場で有数のシェアをもち、とくにミッションクリティカル領域で実績が豊富な「HULFT」というデータ連携ミドルウェアのメーカーでもある。
宅配ボックスのシステムは、同社がHULFTの技術・ノウハウを応用してIoTソリューションに特化したデータ連携ツールに仕上げた「HULFT IoT」と、GMOインターネットのPaaS型ブロックチェーンプラットフォーム「Z.com Cloud ブロックチェーン」、GMOグローバルサインの認証サービスを組み合わせて構築したもの。配送業者が宅配ボックスに荷物を納入すると、ブロックチェーン上に納入記録が残るとともに、施錠要求が行われる。荷物を受け取る利用者は、個人に紐づくスマートフォンを通じてブロックチェーン上で開錠のオーダーを出す。そうして宅配ボックスが開き、荷物を取り出すと、ブロックチェーン上に荷物の受領記録も書き込まれる。
将来的にはこの仕組みを進化させ、解錠と同時に代金決済まで行い、代金引換荷物の再配達解消も視野に入れているという。
ブロックチェーン上に取引の記録を残す
パルコとの実証実験では、この「本人のみが受け取れる宅配ボックス」と、パルコのウェブ通販サービス「カエルパルコ」を連携させ、「いつでもどこでも商品が購入でき、かつ、安心・安全に好きなところで受け取ることができるサービス」の実現を目指す。
具体的な手順としては、宅配ボックスをセゾン情報システムズのオフィスビル内に設置し、同社スタッフが「カエルパルコ」に商品を発注。宅配ボックスへの配送を指定する。購入した商品を店舗でも自宅でもない場所に設置された宅配ボックスで受け取ることができるようになることで、どんな利便性があるのか、また、システムとしての堅牢性は十分かなどを検証するという。
今秋には、第二フェーズとして、池袋駅近辺の施設に宅配ボックスを設置し、その施設の利用者などがカエルパルコで購入した商品を施設内で受け取る実証実験も予定している。
ショッピングセンター事業を展開するパルコとセゾン情報システムズが、ブロックチェーンを活用した宅配ボックスの実証実験を共同で行う。社会問題化している再配達問題解消に貢献することができるか。(取材・文/本多和幸)
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