ウェブサービスを運営する事業者にとって、悪意をもった人物による不正アクセスやなりすましは悩みの種です。カウリスでは、そうした被害を防止するサービス「FraudAlert(フロードアラート)を提供しています。
Company Data会社名 カウリス
代表者 島津敦好代表取締役
設立 2015年12月4日
所在地 東京都千代田区
事業概要 リスク検知サービス
URL:http://caulis.jp/ FraudAlertって、
どんなサービスなの?
森下将宏
執行役員
経営企画室長
ユーザーのふるまいなどの情報をもとに、不正アクセスを検知します。
FraudAlertは、ユーザーのアクセス情報をもとにして疑わしいアクセスのリスクを判定し、その度合いに応じて追加認証を施すことで、なりすましによる不正行為を防ぐクラウドサービス。リスクの判定には、アクセスに用いた端末のOS、設定言語、ブラウザ、IPアドレス、サイト上での行動など、約50種類のパラメータを用いています。ふだんのユーザーの振る舞いから「その人らしさ」を機械学習によってパターン化することで、アクセスがあった際にリアルタイムで情報を照合し、ふだんと異なる不正あるいは疑わしいアクセスを検知します。
何が強みなの?怪しいユーザーの情報を集めたブラックリストをもとに、顧客間で迅速な情報共有が可能です。
FraudAlertでは、検知したアクセス情報をもとに、怪しいユーザーをブラックリストとしてデータベース化しています。これをAPI経由で同社の顧客間で共有することができ、新たな不正アクセスに対して迅速な対応が可能です。
また、FraudAlertはクラウドサービスのため、オンプレミスと比較し開発や運用にかかる時間やコストを抑えることが可能。森下将宏・執行役員 経営企画室長によると、「銀行などに導入されているリスクベース認証と比べ、10分の1程度のコストで導入できる」としています。
今後の方向性は?IoT向けのソリューション開発や、海外展開を視野に入れています。
現在はウェブサイトの不正アクセス対策が中心ですが、今後はATMや自動車、スマートハウスといったIoT向けのソリューション開発を進めていきます。すでに共同研究などに動いているようです。また、海外展開も検討中。最初の地域としては、「FinTechやセキュリティに力を入れているシンガポールが有力」だとしています。
よろしくカウリス
森下執行役員によると、同社設立の背景として、「一つの認証技術では限界があり、いずれは突破されてしまう」との懸念があったのだといいます。そのため、「さまざまな技術の組み合わせで守るほうが、顧客に価値を提供できるのでは」という考えのもと、外部の企業との協業で、セキュリティを高めていく方針です。
今年4月には、ソニーのCVCであるソニーイノベーションファンドと電通国際情報サービスから資金調達を行い、ビジネスに拍車をかけています。「現在の導入実績は月間7000万アカウント。17年度中に、3億アカウントまで伸ばしたい」と意気込みを語ります。カウリスは「FraudAlert」でイッポ前へ!