既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新
<既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新>(55)NTTデータがブロックチェーンで攻勢強める
2017/09/06 09:00
週刊BCN 2017年08月28日vol.1691掲載
大手SIerのNTTデータが、ブロックチェーン技術の活用促進に向けた取り組みを活発化させている。社内体制を変革するとともに、ユーザー企業を巻き込んでコンソーシアムを立ち上げ、市場への本格的な浸透を図る。(取材・文/本多和幸)
NTTデータは8月9日、海外グループ会社を含め、全社横断でブロックチェーン活用を推進する専門チームを発足させると発表した。150人体制で活動を始め、順次人員を拡大する。2019年度末までに、「ブロックチェーンを活用したビジネスを100件以上検討する」ことを目標に掲げている。
同社グループはこれまで、金融、公共、製造といったさまざまな業種・業界で、PoCなどを通じてブロックチェーン活用のノウハウを蓄積してきたという。専門チームは、こうした事例・ノウハウを継続的に集約し、ブロックチェーンの導入効果やシステム構築の期間、コスト感、さらには単位時間あたりのパフォーマンスやネットワーク構成、サービスレベル、セキュリティといった技術要件なども分析する。
さらに、分析・検証の結果にブロックチェーン技術の進展状況などもその都度反映させながら、ブロックチェーン活用の「カタログ」として発信する。
また、ユーザーがブロックチェーンをビジネスに活用する際に必要な検討を効率化するために、NTTデータ全社の開発環境である「統合開発クラウド」上やパブリッククラウド上で、同社が創立メンバーとして参画している「Hyperledger Project」やEthereumといった代表的なブロックチェーン技術のプラットフォームを整備する方針だ。
社内の専門チーム発足、コンソーシアム立ち上げも
このプラットフォームをPaaSとして提供することで、ブロックチェーン活用の環境整備にかかる時間を削減し、アプリケーション開発にスピーディに取りかかることができるようになるという。「ブロックチェーンをすぐにでも活用したいという顧客のニーズに応える」試みだ。
一方、これまで同社は国内で、ブロックチェーンの有望な活用先として貿易業務に着目し、PoCを重ねてきた。これらの取り組みにより、「貿易業務全体へブロックチェーン技術を適用することの有効性と課題が確認された」として、次のステップの取り組みとして、8月15日、「ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアム」を立ち上げると発表した。同コンソーシアムは、貿易業務に関連する関係者間で、企業や業態の壁をまたいで情報連携できるブロックチェーン活用型の貿易情報連携基盤の実現を目指すもので、銀行、保険、総合物流、輸出入業といった貿易関連の各業界を代表する13社が参加している。なお、貿易業務に関するブロックチェーン技術活用のコンソーシアム立ち上げは、国内初の取り組みだという。
大手SIerのNTTデータが、ブロックチェーン技術の活用促進に向けた取り組みを活発化させている。社内体制を変革するとともに、ユーザー企業を巻き込んでコンソーシアムを立ち上げ、市場への本格的な浸透を図る。(取材・文/本多和幸)
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