本連載開始から51回目を数える今回の登場は、2014年設立のインキュビットです。顧客が蓄積してきたデータと、同社が得意とする人工知能(AI)の技術とを掛け合わせて、顧客企業の新たな事業・サービス開発を支援しています。
どんな会社なの?
北村尚紀
代表取締役CEO
新規事業・サービスの立ち上げを専門にしたIT企業です。
インキュビットは、「最先端のテクノロジーと、過去のアセット(企業のデータ)を使って、新たな事業・サービスをつくる」(北村尚紀代表取締役CEO)支援を行うスタートアップです。顧客とともに「ゼロイチ」で事業をつくることに特化し、技術やユーザーに提供できる価値、ビジネスとしての可能性の検証を含めて、「ビジネスのデザインと技術支援の両方ができる」ことを強みにしています。とくにディープラーニングなどのAI技術を活用した、コンサルティングからサービス開発までを手がけています。
開発実績は?業種や規模を問わず、さまざまな案件を手がけています。
これまでに、医療やコールセンターなどでのテキスト解析や、家具コンサルティング企業向けの家具分類AIの開発、ドローンの点検・メンテナンス向け画像解析など、多岐に渡る領域でのサービス開発を支援しています。企業規模の大小や業種を問わず、現在までに40件ほどの案件を手がけてきました。
「AIで新規事業を開発するためのノウハウと手法について」をテーマにしたセミナーを度々開催していて、こうした場で顧客との接点を生み出しています。
今後の方向性は?アイデアをかたちにするスペシャリスト集団を目指します。
顧客の新規事業開発を支援するために、アイデアをかたちにするデザイン力やコンサルティング力を高めていきます。また、先端技術として現在はAIに注力していますが、今後はIoTやロボット、ブロックチェーンなど、時代のトレンドに応じてさまざまな技術を活用していく考えです。
さらに、海外進出も検討していて、年内には台湾に拠点を構える予定。「来年にはもう一つ、事業を展開する会社をつくりたい」と、海外での事業展開を加速させていく方針です。
よろしくインキュビット
インキュビットは多国籍のメンバーで構成されていることが特徴で、日本のほか、台湾やフィリピン、オランダ、フランス、米国などの人が働いています。社内の公用語は英語。海外に住みながら仕事をしている人もいるそうです。
このような組織づくりの背景について、北村代表取締役は、「グローバル展開を見据えるうえで、情報収集の仕方やネットワークが変わってくる」。また、「みんなに自分の人生があり、会社にあて込みたくない」という思いがあるからだと話します。ボーダーレスな環境で、会社としての成長を描いているようです。インキュビットは「AIを使ったゼロイチの事業開発」でイッポ前へ!