既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新
<既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新>(61)全銀協が整備するブロックチェーン実証実験環境
2017/10/18 09:00
週刊BCN 2017年10月09日vol.1697掲載
日本銀行と欧州中央銀行は今年9月、「金融市場インフラへの分散型台帳技術(DLT)の応用可能性調査」共同プロジェクトの第一弾報告書を発表した。前号に引き続き、その内容をみていく。(取材・文/本多和幸)
2015年12月、金融庁の金融審議会・決済業務等の高度化に関するワーキング・グループは、銀行業界に対して、「ブロックチェーン技術を含む新たな金融技術の活用可能性と課題について、金融行政当局等と連携して検討」することを提言した。全銀協はこれを踏まえ、昨年12月に「ブロックチェーン技術の活用可能性と課題に関する検討会」を設置。金融領域におけるブロックチェーンのポテンシャルと、活用する際の課題を、技術面、ビジネス面、法制度面など多方面から抽出しようと試みた。
検討会はその後、今年3月末までの短期間で報告書を取りまとめた。このなかで、ブロックチェーン/分散台帳技術(DLT)について、「銀行間ネットワークを視野に入れた新たな金融・決済サービスや、コスト削減を目的とした業務・システムの共通化への活用が期待される」と指摘。そのうえで、「ブロックチェーン技術/DLT の活用可能性の検討が、銀行単位でのプライベート型から、複数の銀行、FinTechベンチャーやIT事業者、一般事業会社等と銀行が連携・協働したコンソーシアム型に移りつつあることを踏まえれば、こうした連携・協働を後押しする枠組みの整備が必要」との認識を示し、銀行業界が中心となって、連携・協働型の実証実験環境として「ブロックチェーン連携プラットフォーム」を整備することを提言した。
パートナーベンダー
4社も決定
検討会の提言を踏まえ、全銀協はブロックチェーン連携プラットフォームの整備に着手した。全銀システム、でんさいネットシステムなどの金融インフラ、決済・送金サービスや本人確認・取引時確認(KYC)といった分野で、会員各行がブロックチェーン/DLTを活用したオープンイノベーションを進めるための実証実験環境をスピーディかつ低コストで提供するというコンセプトだ。さらに、ブロックチェーン/DLTの知見の蓄積・共有の基盤としても活用していく方針だ。
9月14日には、ブロックチェーン連携プラットフォームの実証実験環境を提供するパートナーベンダーも決定。NTTデータ、日立製作所、bitFlyer、富士通の4社を選定した。
NTTデータ、日立製作所、富士通の3社は、Linux Foundationのハイパーレジャー・プロジェクトに創立メンバーとして参画しており、日立製作所、富士通は、「ハイパーレジャー・ファブリック」を実験環境としてクラウドで提供することを明らかにしている。一方でbitFlyerは、オリジナルのブロックチェーン「miyabi」を提供する。
日本銀行と欧州中央銀行は今年9月、「金融市場インフラへの分散型台帳技術(DLT)の応用可能性調査」共同プロジェクトの第一弾報告書を発表した。前号に引き続き、その内容をみていく。(取材・文/本多和幸)
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