日本情報技術取引所(JIET)の東北支部は9月29日、いつもなら仙台市内を会場としている商談会を山形市で開催した。山形での開催は県内の会員への配慮もあるが、最大の目的は山形では秋の風物詩となっている芋煮会の開催にある。東北支部だけでなく、地域の魅力をJIETの会員に知ってもらうのが目的だ。その狙い通り、当日は東北支部のほか、全国各支部から多くの会員が参加。大きな鍋でつくった芋煮と冷えたビール、馬見ヶ崎川の河川敷という芋煮会の聖地の雰囲気に、参加者が大満足の商談会となった。(取材・文/畔上文昭)
初代鍋太郎。
山形の秋の風物詩「日本一の芋煮会フェスティバル」で使用される直径5.6メートルの巨大鍋。
来年は三代目がデビューの予定
馬見ヶ崎川河川敷で芋煮会
本場山形では、秋が芋煮会のシーズン。暑すぎず、寒すぎない時期が、アツアツの芋煮と冷えたビールをおいしくいただけるため。シーズン中の馬見ヶ崎川河川敷は、花見の時期よりも場所取りが難しいほどにぎわう、芋煮会の聖地である。
馬見ケ崎川河川敷の芋煮会場。商談会を終
えたJIETの会員が集結
煮込み中の芋煮
「JIETの商談会で、本場の芋煮会を楽しんでほしい」。山形出身の伊藤強・東北支部長の強い思いが実現した。
山形の郷土料理である芋煮は、しょう油がベースで、主役の里芋、そして牛肉(山形牛)やこんにゃく、長ネギ、キノコなどが入っている。芋煮は味噌味だったり、豚肉を使ったりするなど、地域によって違いがあるが、山形市内ではしょう油がベースで牛肉というところは譲れないポイントだ。会場では、その話題で盛り上がる。商談会場から河川敷までの移動時にも、同乗者とタクシーの運転手を交えてその話題で盛り上がった。
完成した芋煮を配布中
芋煮を手にするJIETの酒井雅美理事長
本場山形の芋煮。しょう油ベースで牛肉を使っているのが特徴
大鍋でつくられた芋煮は、食材の出汁が効いているのか、とても濃厚。芋と肉が柔らかく、強めの食感のこんにゃくがアクセントとなっている。参加者の多くが何度もお代わりをしていた。一巡したら、芋煮がカレーうどんに変身。これで締めるのが山形流で、考案したのは若い頃の伊藤支部長だという。
締めで、芋煮がカレーうどんに変身
芋煮をカレーうどんにすることを考案したのは、なんとJIETの伊藤 強・東北支部長。
学生の頃に仲間と始めて以降、一般に広まったという
東北のITを全国にアピール
JIET東北支部は、「受注獲得グループ」を結成し、全国の各支部に出向いて案件獲得に動いている。支部としては、初となる活動である。
「東北のIT市場は厳しい。県外の企業から案件を獲得していく必要がある。受注獲得グループの活動は少しずつ成果が出始めている。今後も着実に案件を獲得していきたい」と、伊藤支部長は語る。また、東北支部で開催した「若手交流会」には、約50人が参加するなど、活気が出てきているという。
名物の芋煮会をきっかけに、東北のITをアピールしたJIET東北支部。商談会&芋煮会には、全国からJIETの会員が多数参加。地域の活性化を目指した今回の活動は、大成功に終わった。