7月末に発表した2018年3月期通期の連結業績予想では、売上高が前年同期比5.1%増の2兆8000億円、営業利益は同82億円増の500億円、当期利益は300億円と、増益増収を見込んでいるNEC。折り返し地点に到達し、その進捗度合に注目が集まる。(山下彰子)

 7月31日に発表した17年度第1四半期(4~6月)の連結決算では、売上高は前年同期比12.3%増の5825億円、営業利益は144億円の赤字だったものの、最終利益は78億円と08年以来の黒字となり、順調な一歩を踏み出した。
 

新野 隆
代表取締役
執行役員社長
兼CEO

 折り返し地点となる17年度上期(4~9月)の連結決算では、売上高は前年同期比7.2%増の1兆2880億円、営業利益は同94.2%増の72億円、最終利益は同43.4%増の188億円となり、増収増益を達成した。会見では新野隆・代表取締役 執行役員社長 兼CEOが「7月末時点の計画比でおおむね想定通りとなった」と語った。順調に回復しているようにみえるが、その内情はとても楽観視できない。

 セグメント別でみると、「パブリックは増収増益となったが、それ以外は減収減益」(新野社長)の状態で、好調にみえるパブリックも、17年1月に日本航空電子工業を連結子会社にした影響によるもので、売上高で1245億円、営業利益で94億円の上乗せがあったからだ。

 通期予算では、売上高と営業利益の見通しを据え置いたものの、当期純利益は、当初見込みから50億円増の350億円へ上方修正した。これは17年6月にルネサスエレクトロニクスの株式を売却したこと、指名停止の影響が想定より早く終結する見通しが立ったことによる。

 新野社長は「当初は、指名停止の影響は売上高で600億円、営業利益で150億円としていたが、再検証した結果、売上高では400億円、営業利益で100億円となりそうだ。また、指名停止の期間は半年間と想定していたが、5か月間で終了することになり、下期ですべてが終わる」と説明した。

 さらに、NECおよびNECエナジーデバイスが保有するリチウムイオン電池事業を担う持分法適用関連会社のオートモーティブエナジーサプライの全株式を日産自動車に譲渡することを決定したことにも触れた。17年度業績予想には織り込んでいないが「本株式譲渡により、約100億円の営業外利益を計上する予定」と話す。

 NECは年明けの1月に新たな中期経営計画を発表する予定だ。新野社長は「テレコムキャリア事業の見直しが大きなポイントになる。通信事業者だけを対象にしたハードウェアの事業は縮小していくだろう。通信事業者のサービスの領域に広げたり、通信技術を他の企業に展開したりする必要がある」と話し、縮小が続く通信機器事業の改革を進める考えを示した。