液晶ディスプレイ

 テレビやPC用モニタなどの表示装置として世界中で幅広く使われている。英語では「Liquid Crystal Display」と表記し、「LCD」と略す。

 液晶ディスプレイは、液晶を挟み込んだガラス板の背後に、LEDなどの光源を配置する構造になっている。光源からの光を液晶が通したり、遮ったりしながら映像をつくり出す仕組みだ。

 液晶の研究は、オーストリアの植物学者、フリードリッヒ・ライニッツァーの偶然の発見で始まったと考えられている。ライニッツァーは1888年、結晶の特徴をもつ不思議な液体の性質について論文を発表し、大きな注目を集めた。

 1960年代に入り、電圧をかけると光の屈折が変わる液晶の性質を生かし、ディスプレイへの応用に関する研究が本格化。米国のRCA社は68年、世界初の液晶表示装置を製作した。日本では73年、シャープが液晶表示装置を搭載した世界初の電卓を開発。他メーカーも追従し、エプソンは84年、液晶ポケットカラーテレビの開発に世界で初めて成功。ほかにもさまざまな製品が商品化された。

 ディスプレイの市場では、ブラウン管の装置が主流だったが、厚さや重さが課題だった。そのため、薄型で軽量が強みの液晶ディスプレイへの移行が進み、現在は液晶ディスプレイが主流になっている。

 日本企業はかつて、液晶ディスプレイの市場で主導権を握っていた。90年代に入ると、激しい価格競争に敗れ、韓国や台湾の企業にシェアを奪われた。

有機ELディスプレイ

 液晶に代わる次世代ディスプレイとして注目されている表示装置。英語では「Organic Electroluminescence Display 」と表記し、「OELED」と略す。

 有機ELは、電圧をかけると赤や青、緑に発光する「有機物」を使っているのが最大の特徴だ。ディスプレイは、有機層をプラス電極とマイナスで挟む構造になっている。

 有機ELの研究は、1950年代に始まったと考えられている。実用化に向けて、発光に必要な電圧の確保など、さまざまな課題があったが、87年、米コダック社の研究員、チン・ワン・タン氏が発表した発光原理に関する論文がきっかけになり、大きく技術進歩した。

 その後、有機ELを活用したデバイスが製品化された。なかでも、パイオニアが97年に発表した世界初の有機ELを搭載したカーステレオは、市場に大きな驚きを与えた。

 2000年に入ると、有機ELのディスプレイが実用化され、液晶よりも省電力で高画質といった特徴が大きく取り上げられ、「液晶の次の表示装置」として期待された。

 しかし、液晶に比べて価格が高く、寿命が短い点が欠点となり、一般に普及するまでには至らなかった。最近では、スマートフォンなどに有機ELディスプレイが搭載され、あらためて耳目を集めている。

 調査会社IHS Markitが17年7月に発表した調査結果によると、同年の有機ELのパネル市場は、スマートフォンやテレビなどで需要が拡大し、前年比163%の252億ドルに達するとした。