イッポまえだのよろしくスタートアップ
<イッポまえだのよろしくスタートアップ>(64)スタートアップ2017 今年の動向を振り返る
2017/12/27 09:00
週刊BCN 2017年12月18日vol.1707掲載
ベンチャーブームが続いている近年。世の中を見渡すと、「メルカリ」「CASH」など、コンシューマ向けサービスを手がけるスタートアップが盛り上がっています。ですが、BtoBのITスタートアップも負けていません。2017年のニュースと本連載から、今年のスタートアップ動向を振り返ってみたいと思います。
Preferred Networks、ソラコムなど
大型資金調達、バイアウトに注目
会社の成長を描くうえで、資金調達は必須。近年は、ベンチャーキャピタル(VC)や大企業による投資も活況で、数億円規模の資金調達を行うスタートアップも少なくありません。
ただ、一度に数十億円規模となると話は別。創業間もない企業がこれだけの額を調達できるケースはそうありませんが、今年1年内に100億円を超える資金調達を行った企業がいくつかありました。
例えば、2014年設立で、人工知能(AI)技術の研究開発を行うスタートアップのPreferred Networks。今年8月、トヨタ自動車から約105億円の資金調達を行ったと発表しました。自動運転分野でのAI活用を目的とした共同研究を行っていくとしています。また、同社は12月にも、ファナック、日立製作所など4社から計20億円を超える資金調達を発表しており、AI分野でますます存在感を高めています。
セキュリティ分野では、Blue Planet-worksが4月と8月で総額110億円の資金調達を行いました。同社の「AppGuard」は、コンテナ化により「システムに異常動作を起こさせない」という、独自のアプローチをとったエンドポイントセキュリティ製品を提供しています。元シマンテック日本法人代表の日隈寛和氏が上席執行役員CSOを務めていることからも、注目の一社となりそうです。
また、14年設立で、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」などを提供するソラコムが8月、KDDIの子会社となることが明らかになりました。スタートアップが株式上場、バイアウトを狙うのは当然の流れですが、設立からたった3年では異例。一時、Twitterでトレンドにあがるなど、IT業界内だけにとどまらないビッグニュースとなりました。AIトレンドは堅調
大企業との連携も加速
「AI」ということばが世間をにぎわせて久しいですが、近年設立されたスタートアップでも、AIに取り組む企業はたくさん存在します。本連載でも多くの企業を紹介してきました(第52回総集編でまとめています)。
AIやIoTなどの技術の進展を背景に、先進的な技術や自社にはない技術をもつスタートアップと連携し、新たな価値を創造しようとする大企業の動きもみられます。FinTechやブロックチェーンスタートアップなどとの協業が代表例ですが、とくに、今年本連載に登場したハタプロでは「オープンイノベーションによる次世代ものづくり手法」と打ち出し、IoTやAIなどで大企業などとの共同研究を活発に推し進めています。ITトレンドとなる分野に目をつける大企業を支えるのはスタートアップかもしれません。
ベンチャーブームが続いている近年。世の中を見渡すと、「メルカリ」「CASH」など、コンシューマ向けサービスを手がけるスタートアップが盛り上がっています。ですが、BtoBのITスタートアップも負けていません。2017年のニュースと本連載から、今年のスタートアップ動向を振り返ってみたいと思います。
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