NTT研究所の研究成果を実ビジネスにつなげる役割を担っているのがNTTテクノクロスだ。19年も20件ほどの新製品の開発、既存製品の機能追加を行っていく予定である。開発の指針となるのが「AIファースト」。ソフトウェアをつくるだけでは十分な価値は生まない。ユーザー企業の新しいビジネスを支援し、さらにそこから得られる知見をAIで分析。より大きな価値を創出につなげる。

串間和彦
社長
 「モノづくり、コトづくり、チエづくり」に当てはめれば、モノがソフト、コトが顧客のビジネス、チエがAIに相当する。「AIファースト」とは、全ての製品にAIを組み込み、チエづくりを推進していくものだ。

 例えば、バックオフィス業務支援の一環として、契約書の「瑕疵担保責任」や「損害賠償」などの単語を起点に、過去の契約書ではどうなっていたかをAIが自動的に比較。リスクが高い契約内容や問題の箇所を発見する支援するソフトを19年春をめどに製品化する予定。また、この仕組みを応用して、出張申請や経費精算などの申請業務も、過去の履歴から“差し戻しリスク”が高い申請箇所をAIが自動的に指摘する支援機能も充実させる。

 毛色の違ったところでは、農業IoT事業を手掛けるデザミスと協業として、牛の行動データから病気の早期発見を可能にするアルゴリズムを開発した。膨大な行動データをAIが分析。この分析データのなかから、より理想的な牛乳や牛肉を生産できる手がかりを、将来、見つけ出せるかも知れない。

 「AIファースト」によって、価値創造の好循環を作っていく。