2018年設立のビットキーは、スマートロック「bitlockシリーズ」で知られる企業。ただ、それは同社の全体の事業の一角でしかなく、独自の暗号化技術で安全なIDの認証連携、権利取引が可能なプラットフォームを利用し、「あらゆるものをつなぐ」ことを目指しています。江尻祐樹代表取締役CEOに話を聞きました。
Company Data
会社名 ビットキー
設立 2018年5月16日
所在地 東京都中央区
事業概要 次世代鍵bitkeyの企画・開発・運用
bitkeyを利用したスマートロックの開発・製造・販売・運用
bitkeyを利用したサービスプラットフォームの企画・開発・運用
URL:https://bitkey.co.jp/
どんな会社なの
テクノロジーを使い、あらゆるものを安全で便利で気持ちよく「つなげる」ことを目指している会社です。
江尻祐樹 代表取締役CEO
ビットキーは、さまざまな暗号化技術を用いて独自開発した、ID連携や認証、権利の取引ができるデジタルキープラットフォーム「bitkey platform」をキーテクノロジーとしています。自社のIDに統合してユーザーを囲い込むのではなく、「それぞれのIDを残したままつなぐハブとして存在する」というアプローチをとり、各事業者が提供するIDは残したまま、裏側でbitkey platformを使って本人確認やID連携、認証、権利の処理などを行うことで、安全・便利な形でのサービス連携を実現します。
このプラットフォームを活用して、住宅・不動産などをターゲットとした「TOBIRA事業」を展開。代表的なプロダクトが、住宅向けスマートロックの「bitlock LITE」で、初期費用0円、月額300円(税抜)から利用でき、19年4月の販売開始から現在までに23万台以上の販売実績があるそうです。
bitkey platformの採用事例の一つが、家事代行サービス「CaSy(カジー)」。CaSyとスマートロックがAPI連携し、CaSyのアプリでbitkeyとの連携を選択すると、家事代行の利用者がスタッフに、解錠・施錠の時間を指定したデジタルのカギを発行して渡すことが可能になっています。
今後の方向性は
TOBIRA以外の分野で、プラットフォームを使える領域やつながる領域を増やしていきます。
これまでスマートロックを中心にビジネスを展開してきましたが、「カギにこだわっている会社ではない」と江尻さん。bitkey platformはさまざまな分野に応用が可能で、「あらゆるところに使える汎用性を持っている」と説明。今後はモビリティ、医療、金融、行政など、多岐にわたる分野でbitkey platformが利用され、つながる世界を実現できるよう、さまざまな事業者と提携していく考えです。
よろしくビットキー
同社事業のコアであるbitkey platformの正式版公開は19年12月で、スマートロックの提供開始より後のこと。「ベンチャー企業単独で事業を始めやすい領域から」との考えで、最初の事業フィールドに後発だったスマートロックを選んだそうです。結果、初期費用0円、月額数百円の低価格が受け、急速な販売拡大を実現しました。「初手としてのスマートロックや不動産まわりの事業は一定の成功を収めつつある」と言い、これからが「2手目のスタート期」として、あらゆる分野での事業展開を目指します。ビットキーは「デジタルキープラットフォーム」でイッポ前へ!