もはやリモートワークの是非を議論するレベルではなく、リモートワークでどう生産性を高めるかを考える段階にきている。働き方が大きく変わる中で、顧客の企業価値を高める商品やサービスを深掘りし、新しい領域を探すという意味で、2021年は「新たな顧客価値の『深化』と『探索』で社会課題を解決する」ことを目指す。

鈴村文徳 社長

 在宅で仕事をする割合が増えたことで、当社が強みとするインクジェットプリンタの需要が大幅に増えた。インクジェットはレーザープリンタに比べて小型・省電力が特徴で、リモートワークに象徴される分散型の働き方と相性がいい。これまでプリンタを置いていなかった家庭での新規購入、古いプリンタの買い替えなどインクジェット関連の市場の動きをしっかりと捉え、深化させることでビジネスチャンスにつなげる。

 また、プロジェクション(投影)やウェアラブル(着用)、産業用ロボットといった注力事業の領域での市場開拓に取り組む。特に産業用ロボットでは、エプソングループの精密機器を組み立てる工場で培ってきた水平多関節型(スカラ型)で強みがある。この技術を応用し、垂直多関節型をはじめ多様な方式のロボット開発にも力を入れている。

 就労人口が減っており、作業の自動化ニーズは確実に増える。工場向けの産業用ロボットの用途に加え、あらゆる現場作業を自動化する新しい用途を探索し、潜在的な需要を具現化させる。働き方の変化や、社会の自動化ニーズにしっかり応えていくことでビジネスを伸ばす。