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「XR」の用語解説、活用が見込まれる分野は?

2021/12/14 18:33

週刊BCN 2021年12月13日vol.1903掲載

 「エクステンデッド・リアリティ」または「クロス・リアリティ」の略で、現実世界と仮想世界を組み合わせることで「新たな現実」を生み出す技術の総称。具体的な技術としては、VR (仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)が挙げられる。現実と仮想空間の融合により、ユーザーに新たな体験を提供することが可能となる。

 VRは仮想空間を現実として知覚させ、ARは現実空間の映像にCGやデータなどを重ねて投影する。MRは 現実世界と仮想世界を一体化させ、相互に影響を与え合う空間を作り出す。SRは現実と過去の映像を織り交ぜることで、過去の人物や出来事が現存しているように錯覚させるシステムを指す。

 用途については、現時点ではゲームなどエンターテインメント領域が中心となるが、製造業や建設業などで、作業支援や従業員教育に活用する事例も広がっているほか、医療機器への応用を目指す動きも活発化している。

 また、5Gにより、高速・大容量のモバイル通信が普及することで各技術がさらに発展することも期待されている。

 ただし、映像を投影するヘッドマウントディスプレイなどのデバイスが比較的高価であったり、XRに適したコンテンツを制作する費用も必要となったりするなど、BtoBでの大規模導入には課題も多い。
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