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「サービスロボット」の定義は? 米中も開発に本腰

2022/02/08 18:33

週刊BCN 2022年02月07日vol.1910掲載

 産業用以外のロボット全般を指すことが多いが、明確に定義されているものではないと科学技術振興機構研究開発戦略センター(CRDS)の報告で示されている。オフィスビルの警備や接客、レストランの配膳など国民の身近な環境で使用事例がよく見られ、人手不足やコロナ禍による非接触環境の対策サービスで需要が拡大している。

 世界の市場規模は2021年の362億米ドル(約4兆1770億円)から年平均成長率23.3%で成長し、26年には1033億米ドル(約11兆9200億円)に達する見込みと、市場調査のグローバルインフォメーションが21年12月に伝えている。

 ビジネスの覇権を長年争う中国と米国も本腰を入れている。中国では21年12月に発表したロボット産業発展計画で、産業全体の売上高で年率20%超えを目標に掲げる。米国もCRDSの報告で、大学や大学発のスタートアップ企業がサービスロボットの開発を進めるほか、この数年はグーグル、アマゾン、IBMなど巨大企業もサービスロボット分野へ投資を増やしている状況だ。

 日本でも経済産業省がロボットの導入しやすい環境作りを進める「ロボットフレンドリー」の実現へ官民連携を推し進めている。

 22年1月25日には東京・大手町のオフィスビルに搬送や清掃を担うロボットが導入された。エレベーターや自動ドアなどがある場合も支障なく屋内外を走行できる。経産省はロボフレ環境を整える取り組みを強化する方針だ。
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