2022年度のコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)定時総会が6月16日に行われた。昨年4月から理事長に就いているオービックビジネスコンサルタント(OBC)の和田成史社長の体制下1年目の事業と決算が承認された。今年は任期2年の役員改選もあって、14人の理事が決まった。

 今期から新しく就任した理事は3人。このうち、さくらインターネットの田中邦裕社長は、一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)の会長であり、ピーエスシーの鈴木正之社長はSAJの筆頭副会長だ。産業振興を担うソフトウェア協会と著作権・知財保護を通じ文化の発展を目指すACCSとの関係強化を目指す意図が実現された。

 和田理事長は、SAJの元会長で現在は名誉顧問(理事)である。この1年間、著作権関連団体との協働を目指し挨拶に回ってきた。先日は、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会の会長で能楽師(人間国宝)の野村萬氏を訪問。著作権団体と著作隣接権団体という違いはあるが、ソフトウェア開発を通してよりよい社会をつくりたいと語る和田理事長と、芸術振興によって文化の発展を目指す野村氏は、朝一番から熱い会談となり、協力関係を約束した。

 専務理事である私は現在、日本文藝家協会の会員でもあるが、先日出席した総会懇親会で、日本文藝家協会の理事長であり、日本大学の理事長への就任が決まった作家の林真理子氏と話す機会を得た。実は林氏の母校の山梨県立日川高校はラグビーの名門校で、トッププレイヤーや指導者を数多く輩出していてラグビーがつなぐ縁があるのだ。その際に、副理事長の作家、三田誠広氏も交えて、ACCSとは著作権教育普及活動からスタートしようという話になった。このように著作権に関連する団体がよりよい化学変化を生み出すよう協力していこうと話し合っている。

 話を戻すと、ACCS総会後の理事会で正式に理事長に選出された和田氏は、ビジネス界にも著作権の考え方を広げていきたいとし、次のように挨拶された。

 「日本の行政は縦割りで、経済産業省、文化庁とありましたがデジタル庁という横串が入りました。ACCSも、垣根を外しながら、全体を考えていく場所としてさらに発展をしていきたい。そして日本経済の発展につなぎたい」

 
一般社団法人 コンピュータソフトウェア 著作権協会 専務理事 久保田 裕
久保田 裕(くぼた ゆたか)
 1956年生まれ。山口大学特命教授。文化審議会著作権分科会臨時委員、同分科会国際小委員会専門委員、特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会理事、(株)サーティファイ著作権検定委員会委員長、特定非営利活動法人ブロードバンドスクール協会情報モラル担当理事などを務める。主な著書に「情報モラル宣言」(ダイヤモンド社)、「人生を棒に振る スマホ・ネットトラブル」(共著、双葉社)がある。