北斗七星

北斗七星 2002年6月17日付 Vol.945

2002/06/17 15:38

週刊BCN 2002年06月17日vol.945掲載

▼日韓共催のワールドカップサッカーが盛り上がっているが、私自身は、国名と地理が一致しない国が多い。不明を恥じるしかないが、クロアチアとかチュニジアがどこにあるのかと聞かれて、正確に即答できる人が日本人のなかにどのくらいいるのだろう。新聞もテレビも、地図を載せたり、見せてくれるところはほとんどない。地球のどこにあり、どんな歴史をもっているのか。試合結果と英雄づくりの報道も必要だろうが、本当の友好関係は、地勢と国情を理解することから生まれるのだと思う。もっとも、1回ぐらいはそうした報道もしているのだろうが、それを見逃したら自分で探すしかない。

▼というわけでインターネットの出番。目的をもってウェブページを探せば、求める情報にまずはたどり着くことができる。サッカーを見ながら、マスメディアの優位性と限界を改めて感じている。その限界だが、最近の小泉内閣にも感じる。最大の問題は、個人情報保護法案よりも郵政関連4法案の国会通過を優先させつつあることだ。将来に対する影響力との視点で見ると、はっきり言って郵便局が民営化されようが国営のままであろうが、国民生活にとってはたいして影響はない。

▼将来への影響力という点では、個人情報保護法案を巡る言論抑制の議論の方がずっと大きい。もちろん、これが先送りされると住民基本台帳ネットワークの推進など電子政府構想は足踏みせざるを得ないし、電子商取引の推進にも影響が出る。電子政府に対しては、構想から具体的動きに移行するにつれて影響力の大きさにびっくりした官僚側がサボタージュを始めているなどの声も聞こえてくる。今こそ小泉首相に踏ん張ってもらいたいものである。
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