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“仮想地球”を創る

2002/06/24 15:27

週刊BCN 2002年06月24日vol.946掲載

 

 NEC(西垣浩司社長)はこのほど、海洋科学技術センター横浜研究所(横浜市金沢区)で、スーパーコンピュータを利用して地球環境がシミュレーションできる「地球シミュレータ」の見学会を実施した。

 このシステムは、人類の持続的発展や災害からの人命保護を目的に、1997年から約1000人の技術者を投入し開発をスタート。今年3月から本格運用を始めた。地殻変動予測や長期気候予測などを行い、今後、地球温暖化による影響分析や地震発生による被害の回避などに役立てる。

 佐藤哲也・地球シミュレータセンター室長は、「未来の地球環境変動を、観測によって予測するのは困難だったが、このシステムによって、諸現象をリアルにシミュレーションできる。いわば“仮想地球”のようなもの」と強調した。

 鉄骨造・2階建て。50×65mという巨大体育館のような地球シミュレータの保管棟は、室温を常に23度に保つための大型空調機に、ノイズを避ける特殊な照明を採用。外壁は外部電磁波から守るために三重層のアルミめっき鋼板。

 “仮想地球”を創る。随分大袈裟な言葉だと思ったが、施設の重々しい雰囲気を見学すると、それも“リアル”に思えてくる。
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