パソコンじたばた日記

<パソコンじたばた日記>第4回

2002/07/22 15:26

週刊BCN 2002年07月22日vol.950掲載

 

 悲劇はいつ起こるか分からない。

 その爽やかな4月の朝、私はいつもと同じように、目覚めるとまず書斎にいって、パソコンのスイッチを入れた。たとえ、すぐに仕事に取りかからない、または、そんな気の起こらない日であっても、メールのチェックをする必要があるし、それが長年の習慣になっている。

 買ってからそろそろ2年になろうというパソコンはN社製のデスクトップタイプのもので、ディスプレイは液晶、マウスとキーボードがコードレスである。だが、これは考え物で、普通に原稿を書いている最中に、パソコン本体が何か違う信号を読み込んでしまうらしく、突然、カーソルが暴走し始めたり、画面がどこまでもスクロールしてしまうことが珍しくない。ことにマウスは「ハズレ」だったらしく、感度は悪いし乾電池(単四2本)の消耗は激しく、何か機嫌が悪いと反応しなくなってしまうという代物で、時々、「こいつには自分の意志があるんじゃなかろうか」と思うくらい、不気味に感じることがある。

 その上、ひどいときには1日に何回もフリーズするのである。「Ctrl+Alt+Delete」なんか、いくら押したって何の役にも立ちゃしない。それでも2年も使っていれば、そんな部分も「個性」として受け入れている。まあ、少しくらいの「やんちゃ」なら、大目に見てやろう、という感じである。

 だが、その朝は、これまでの「やんちゃ」とは違っていた。スイッチを入れて、少しするとWindowsの文字が浮かぶ。普通なら、そこで「チャリラリラリラリ~ン」と音が鳴る。はずなのに。一瞬、ワッペンみたいな「McFee」のマークが見えた。と、思った瞬間、私の小憎らしいパソコンは、死んでしまったのだ。ウンともスンとも言わなくなってしまった。前触れもなく。

 私に出来ることといったら、ただ呆然とすることだけだった。まさしく「なんだ、こりゃ~!」である。
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