旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->20.ヨーロッパの旅 II-(2)フィレンツェとピサ

2003/01/13 15:27

週刊BCN 2003年01月13日vol.973掲載

 アテネから空路1時間足らずでローマに着き、半日観光の後にバスでフィレンツェに向う。左右に広がる珍しいイタリアの田園風景の中を車は走り、夕刻フィレンツェのホテルに着いた。

 ルネサンスで名高いフィレンツェは、15世紀にメディチ家の繁栄と共に、中世の呪縛を解かれた自由な雰囲気のなかで、ルネサンスの花を開かせた古都である。

 今も美術品が街の至るところに溢れている。ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチその他の芸術家達がメディチ家の保護の下で活躍した。ドゥオモやサン・ロレンツォ教会など多くの教会や美術館があり、それらの中に天才芸術家達の絵画や彫像が納められている。

 私達はシニョリーア広場でネプチューンの噴水と共に、模刻された多くの彫像を身近に見て、その迫力に圧倒された。

 その後、金銀細工の店が並ぶ有名なヴェッキオ橋を間近に見て、アルノ河畔の小高いミケランジェロ広場に登った。

 そこから川越しに見渡すフィレンツェの市街は正に一幅の絵であった。

 午後、オプショナルツアーでアルノ川河口のピサに向った。ピサはヴェネチアやジェノヴァと共に地中海の海運都市として栄えた。斜塔はその繁栄時代に建てられた大理石の塔であるが、工事中に地盤が沈下して中断、14世紀後半に斜塔のまま完成し、世界7不思議の1つと言われている。

 隣りに壮大なドゥオモが建っていたが、私達の関心はやはり斜塔で、それは奇妙なバランス感があり、美しく気高い風格があった。

 帰路、ローマ時代の高架水道遺跡が延々と続いているのを近くで見ることができた。

 こんなところにこんな大規模施設が、と驚くと同時に、予期していなかっただけに大感激であった。
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