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「まともな会話」

2003/05/19 15:27

週刊BCN 2003年05月19日vol.990掲載

 市町村合併が急がれるいま、全国各地のベンダーやシステムインテグレータは、システム統合の「自治体特需」を囲い込もうと、争奪戦を繰り広げている真っ只中だ。

 合併にともなうシステム統合コンサルティング事業で急成長を遂げている、あるコンサルティング会社の幹部は、自らの事業を“通訳”に例える。

 「ベンダーやシステムインテグレータは、自治体の担当者に向かって何ともなしに、専門用語を羅列する。それでは理解できるはずがなく、ユーザーの要望を決められた時間内に満たすことはできない」

 つまり、「ITのプロであるベンダーやシステムインテグレータと、ITをよく知らない自治体の関係者の間で、『まともな会話』を成立させ、仕様や費用を明確にし、スケジュールが順調に進むように舵を取る。自治体のIT化には不可欠な役割」だという。

 しかし、このようなことは、何も自治体向けビジネスに限ったことではない。

 ソフト開発市場は、新規参入組の増加による競争激化で、安価な受注はもとより度重なる“作り直し”など、案件の長期化による利益率の低下が深刻な問題となっている。

 いま一度、認識しておかなければならない役割なのではないか。
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