北斗七星

北斗七星 2003年7月7日付 Vol.997

2003/07/07 15:38

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

▼悪循環の怖さを身を持って体験している。囲碁を趣味としているのだが、碁会所人口が急減しているのである。10年くらい前なら、午後8時頃に入っても50―60人は打っており、誰かしら相手はいた。ところが最近は、同じ碁会所でありながら、20人もいれば良い方だ。20人ではまず相手は見つからない。「行っても相手がいない」経験を2、3度してしまうと、どうしても足が遠のいてしまう。典型的な悪循環である。4人必要な麻雀に続き、2人必要な囲碁も衰退過程に入ったようだ。

▼もっとも、囲碁の場合は、インターネット上でのネット対局は盛んだ。また、「ヒカルの碁」という漫画によって、囲碁に興味を示す小中学生が急増しているとされるので、一概に衰退産業とは断定できない面もある。ネット対局は、常時接続のブロードバンド環境に向いたコンテンツの1つである。相手によっては1局1時間もかかるので、常時接続でなかったら、通信料金がいくらかかることになるか。

▼ただ、ネット対局は何か物足りない。相対で打っているときは、「バカだなー」とぼやき、「そんな手でいいの」と冷やかすのも楽しみの1つである。キーボードによるチャットでは、ワンテンポ遅れてしまい、臨場感が異なる。ADSLは急速に普及したが、ADSLならではのコンテンツはあまり増えていないように思える。デジカメ機能を生かし、臨場感溢れた対局が可能になれば、ネット対局はもっと楽しくなるだろう。
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