戸板祥子の筝曲の時間

<戸板祥子の筝曲の時間>7.押尾コータロー

2003/08/25 15:27

週刊BCN 2003年08月25日vol.1003掲載

 窓から眺めるとお盆休みのせいか音羽通りに車が少ない。私は練習の合間の気分転換に外に出た。今日は朝からソロの曲を練習しているが、左手3本の皮がむけ、腫れがひかない。練習中は感じないのだが、手を洗ってその痛さにびっくりした。

 本屋に寄ったところで、「アコースティック・ギター・マガジン」の表紙に押尾コータロー発見!

 彼は14歳でギターを始め、インディーズ時代は試行錯誤を繰り返し、2002年にメジャーデビューした注目の新人ギタリスト。

 彼の演奏は、一言で言うとソロなのにまるでバンドの演奏を聞いているような感じといえばいいだろうか。旋律、伴奏と同時にリズムのたたきやハーモニクスなど何種類もの音を出す。私はテレビで初めて見て釘づけになった。同じ弦楽器奏者として彼の演奏の中に箏の新しい可能性をみたのだ。

 ギタリストには小松原俊、福田進一や村治佳織など多くのプレイヤーがいるし、もちろん箏奏者にも西陽子や帯名久仁子、池上眞吾、みやざきみえこなど新しい雰囲気の音楽を作り出している箏ニストも大勢いる。その中で、私は自分のオリジナル探しに試行錯誤の真っ最中。

 早速雑誌を買って家でギター譜を見てみる。タッピング、スラップ、ボディへのヒッティングなどおもしろそうな奏法がたくさんあるではないか!

 今練習中の曲は三木稔作曲の「華やぎ」。この曲は右手で速いリズムの伴奏をしながら左手の指で弦を弾きメロディーを奏でる。この2役からたたく奏法などを加え、3役、4役がこなせるのではないかとひらめいた。願わくばそこに明るく爽やかな風を感じさせるメロディーがつけば… 来週は2枚目となるCDの録音があるので1人バンド状態?の曲を作ってみたい!!目下私の新しいチャレンジは続いている。未来の私に乞うご期待。
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