北斗七星

北斗七星 2003年10月27日付 Vol.1012

2003/10/27 15:38

週刊BCN 2003年10月27日vol.1012掲載

▼低価格パソコンが子供に好評なんだ――。今年4月に「IT教育先進校」を掲げた都内のある小学校長は、訝(いぶか)しげに子供の消費動向を見る。その学校の近くにある家電量販店には週末、パソコンコーナーに親子の姿が目立つそうだ。その話を聞いた校長は、早速子供たちを調査。すると、「親が買い与えるのでなく、お年玉や小遣いを集め、自分の意思で購入している」ことが判明。3―5万円のデスクトップが子供の「値ごろ感」を誘ったようだ。

▼IT市場はデフレ一色で安値競争が続く。企業向けサーバーも今年に入り、3割以上も販売単価が下落した。もっとも、大塚商会では「売上高は前年を下回るが、販売台数はトントン」と、悲壮感はない。景気は上向き、企業が再び部門別にサーバーを置き始めたのか。「近年の『システム統合』の流れから、もう一度『分散化』へ向かう」(同社)と、新たな商機を伺う。

▼このところデジカメやAV機器が好調で、「今年の年末商戦には活気が蘇る」(大手量販店)との観測が出始めた。だが、ソニーの次期プレイステーション「PSX」が一波乱起こす気配。120ギガバイトのHDDやDVDドライブを搭載し、価格は7―9万円台。いま売れ筋の10万円前後のDVDプレーヤーは脅かされ、価格下げを余儀なくされそうだ。IT製品の「低価格化」は、徐々に消費を呼び起こしている。この機に乗じ高機能の新製品で価格を上げる動きも目立つ。微妙な「千里眼」が勝敗を分かつ。
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