北斗七星

北斗七星 2003年11月3日付 Vol.1013

2003/11/03 15:38

週刊BCN 2003年11月03日vol.1013掲載

▼先日、東京・新宿西口を歩いていると、突然「ドーン」という音とともにビルが揺れた。歩行者のほとんどが立ち止まって、頭上を不安げに見上げる。地震である。今年を今から振り返るのは気が早いが、東北以北で大きな地震の多い1年だった。5月26日には東北地方で宮城県沖地震があり、7月27日には宮城県連続地震、さらに9月26日には十勝沖地震と東北以北で大きな地震が目立った。奇しくもほぼ2か月おきに発生したことになる。

▼宮城県沖地震が発生した時には、たまたま盛岡市から移動して秋田市にいた。その日は、秋田県に大きな被害をもたらした日本海中部地震発生からちょうど20年にあたっており、官庁や企業でも避難訓練が行われた。東京では9月中旬に大きな地震が発生するという迷惑なデマも飛び交っていたようだ。

▼古い本を整理しようと思い立って片付けていたら、小松左京原作の「日本沈没」(光文社)が出てきた。初版が発売されたのが1973年なので、ちょうど30年前である。当時はラジオドラマから映画、テレビドラマにもなり、「日本沈没」は社会現象となった。地殻変動で日本列島が海面下に沈むというのがテーマだが。頻発する地震でSFとは思えない面もあった。「日本沈没」の設定は197X年。その後、オイルショックやバブル崩壊で日本経済の方は、何度か沈没した。そして今期のIT企業の中間決算を見ると、すでに回復軌道に乗って「浮上」しつつある。
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