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黒字転換の行方

2003/11/17 15:27

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

 ソフトバンクの中間決算説明会で、孫正義社長は「ヤフー!BB」事業について「予定通り」と断言した。

 街頭でのモデム配布や、テレビCMの顧客獲得費用がかさみ、黒字転換は今中間期もかなわず、495億円の営業損失を計上した。連結業績も増収は果たしたが、利益面では赤字幅を広げる結果になった。

 孫社長の口からは「世界最短で300万ユーザー獲得」、「顧客獲得費用を除けば黒字は達成済み」、「ADSL市場で約35%のトップシェア獲得」と、威勢のいい言葉がポンポン飛び出す。

 計算上は、四半期ごとの営業損失をみると、昨年度第4四半期の357億円の営業損失を底に、今年度は徐々に赤字幅を縮め、第2四半期は207億円の赤字まで縮小した。ユーザー数も毎月13-15万回線増加しているとし、今年度中の目標数値400万回線はこのままの勢いを持続すれば、達成できるようにも見える。

 孫社長は「予定通り」と口にするが、黒字転換の目処に対する質問には、しっかりと口をふさぐ。前年度末(03年3月期)も「200万ユーザーが損益分岐点」と断言していたはず。予想以上に「顧客獲得費」がかさんでいるようだ。通称“パラソル隊”に振り向く通行人も減ってきている印象だ。
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