▼日本約515億円、ドイツ約700億円。オーストラリア約820億円…。未曾有の災害となったスマトラ沖大地震とその津波被害。各国は被災国向けに次々と支援を表明した。地震発生から時がたち、援助物資も続々と送り込まれている。もっとも、被災地では、水、食料、医薬品がまだまだ不足しているという。道路が寸断され、物資は集まるものの、それが被災地に届けられていないケースもあるらしい。援助の手を行き渡らせることが喫緊の課題だ。

▼なぜこれほどまでに大きな被害となってしまったのか。その要因の1つに、津波の早期警報システムがなかったことが指摘されている。太平洋には、潮位の変動を測定し、津波発生時には日本や米国に情報を伝えるシステムがある。一方、インド洋にはそのような仕組みがなかった。スリランカに津波が到達したのは、地震発生からおよそ3時間後。津波の情報が伝わっていれば、被害は食い止められた可能性が高い。

▼東京大学地震研究所の都司嘉宣助教授によると、日本は津波に関しては5つの点で世界でもトップクラスだという。①1000年以上にわたる津波の歴史記録、②海岸線に密に配置された検潮所による観測、③内外の津波の調査実績、④大規模な数値計算が可能、そして⑤信頼性の高い津波警報システム。インドのある高官は、「滅多に起こらない自然災害の対策よりも、貧困問題の解決などの方が先決」と苦しい胸の内を語った。日本だからこそできる援助がある。