▼財務省の「対内・対外証券投資状況」によると、2004年の外国人投資家による対内投資は約15兆円を超える買い越しだった。企業業績の回復で、日本への投資が増えたということだが、ITバブルにより過去最高だった00年の約10兆円をも大幅に上回っている。

▼かつての「持ち合い」も解消され、外国人の投資環境が整ったという側面もある。一方で、こうした状況が生み出されるようになったため、あらためて整備しなければならない環境というのも出てきている。資本の論理に対応するため、企業や業界の再編も進むし、日本型を貫いてきた制度についても見直しが必要な部分がある。

▼政府が金融コングロマリットの誕生に備えた法制の整備に動き出すと、例えば大手銀行と大手証券会社の提携話などが相次いで持ち上がる。法制と実態のどちらが先に動くかは、卵と鶏の論議に似ているが、そうした環境が必要になっていることは間違いないようだ。

▼コングロマリット形成の機運は、IT業界にもおよぶ。昨年はプロ野球が対象だった。今年は銀行へ、そして放送・メディアへと向かっている。今、世間を賑わせているネット企業による放送・メディアへの敵対的買収には、その背景を深読みする向きもあるし、法制の不備を指摘する向きもある。その一方で、産業の進化の必然という面があるのも事実だ。日本でのM&A(企業の合併・買収)や産業再編は、昨年に増して加速しそうだ。