2月中旬、日立製作所はセキュリティを強化した“専用端末”なるものをついに初披露した。ハードディスクドライブ(HDD)を内蔵しないことで情報漏えいを防ぎ、ICカードとID・パスワードを活用した認証機能も付加。高いセキュリティレベルを確保した。

 「情報漏えい対策に待ったはない。一気に導入する」(古川一夫・執行役専務情報・通信グループ長&CEO)との力の入りようで、2006年3月末までに日立本社で1万台を導入する計画だ。外販にも2月16日から踏み切った。

 機能もさることながら、注目されていたのはその姿。“専用端末”だけに「どんな代物か」と関心を呼んだが、外観は何らパソコンと変わらないし、何とウィンドウズも搭載。しかも価格は26万円と高く、重量は1.3キログラムと決して軽くない。これには“専用端末”と表現してきた日立自身の姿勢も一変し、ついに「これはパソコンのラインアップの1つ」と言い放つ羽目に。

 日立は新年早々、セキュリティ確保のため社内からパソコンを排除する方針を打ち出したが、その一方でパソコンビジネスは従来通り継続する意志を示すなど、日立グループのパソコン販社とっては理解に苦しむ状況が続いた。今回、“専用端末”からパソコンに表現を変えた些細な配慮に、グループ内の混乱ぶりが見え隠れするようだ。