旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->98.南オセアニアの旅-(1)日本近海

2005/05/02 15:27

週刊BCN 2005年05月02日vol.1087掲載

 飛鳥クルーズに参加し、1月18日16時横浜港を出港した。狭い浦賀水道は通航する船で混んでおり、15ノットの低速で通過し、一路南下した。19時40分、暗い夜空に伊豆大島の島影が見えた。島の外側を右回りして、利島との間を通過した。この辺りから波が荒くなり、船の揺れが酷くなる。特に御前崎の沖は海の難所のうわさ通りに激しく揺れた。

 19日7時15分、潮岬沖を通過。灯台を目撃したが曇り空だったので写真には写らなかった。その上期待していた紀伊日ノ御埼灯台も、小雨混じりの曇り空で見失ってしまい残念だった。10時50分紀淡海峡に入り、神戸港に向った。曇り空で時雨混りの冷たい寒風が吹き、カメラを持つ手がかじかんだ。15時神戸入港。阪神・淡路大震災から10年、復興著しい神戸市中心街と六甲の山々を船の最上階から眺め、当時を想起して感慨深かった。

 17時、神戸を出港し、再び紀淡海峡を通過し、室戸岬の沖を黒潮の流れに逆らって南下した。

 20日朝7時、種子島のはるか東方沖を速力19.2ノットで航行。昨夜来海が酷く荒れ、船酔いで遂にダウン。黒潮の強大な威力を身をもって体感した。21日朝、海の色が明るいコバルトブルーに変ってきた。波も穏やかになり、私も元気になってきた。

 15時15分、突然「沖ノ鳥島」が右舷に見えてきた。同島は日本最南端の無人島で、200カイリの経済水域確保の重要な拠点である。大きな“やぐら”が建っており、近くに小さな岩礁が数個あった。それらの周囲を海面下の珊瑚礁が丸く囲んでいて白波が立っていた。近くに巡視船が停泊していた。
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