▼「まさか遊園地がこんなにヒットするとは思わなかった。これだけは私の読みも外れた」。このゴールデンウィークも多くの家族連れで賑わった東京ディズニーリゾート(TDR)だが、開発を推進した三井不動産の江戸英雄元社長(故人)は、1983年の開園から10年くらい経った頃、当時を振り返ってこう語っていた。テーマパークという言葉すらなかった時代に、都心近郊に巨大な遊園地を建設するリスクは察して余りある。

▼もちろん、米ディズニー社に対し、入場料の10%をロイヤリティーフィー(使用料)として支払うことにも、抵抗感は強かったようだ。しかし、その後の繁栄ぶりは誰もが知るところ。それでも江戸さんは、いつまでも首を傾げていた。だが、ここにきて「ディズニー神話」にも変化が生じている。TDRを運営するオリエンタルランドの05年3月期決算(連結)は、売上高が前期比1・6%減、経常利益が同10・3%減と、連結決算の開示を始めた00年3月期以来、初の減収減益となった。

▼オリエンタルランドでは、昨年初夏から続いた記録的な猛暑の影響などを理由に挙げているが、開園からすでに22年が過ぎ、TDRも成熟期に差しかかっていることも否めないだろう。テーマパークの〝成功の象徴〟とされたTDRだが、この9月にはアジアで2番目の香港ディズニーランドがオープンし、強力なライバルとして立ちはだかる。常に新しさを追い求め進化し続けなければならないのは、何もIT業界に限ったことではなさそうだ。