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社員の意識の低さがセキュリティホール?

2006/02/20 15:27

週刊BCN 2006年02月20日vol.1126掲載

 「最も大変なのは社員教育」。  ある大手企業の情報セキュリティ責任者に情報漏えい防止対策でもっとも苦労していることを尋ねたら、こんな答えが返ってきた。

 さまざまなセキュリティツールを導入しても、「社員の情報保護に対する意識が変わらなければ何もならない」というのが、その責任者の弁だ。全国展開していることから、各拠点に出向き、情報セキュリティの重要性について説明するセミナーを1か所ずつ開催している最中だという。

 セキュリティ教育関連e─ラーニングサービスを提供するベンダーでは、「社員が目の前の仕事ばかり優先して、セキュリティ研修を受講してくれない」というユーザーの悩みから、パソコンを立ち上げると強制的にe─ラーニングシステムが起動し、その講習を受けないと仕事ができない仕組みを用意したという。社員のセキュリティに対する意識レベルの低さが生んだシステムといえる。

 情報漏えい事件の原因は、社員の情報持ち出しやデータの盗難・紛失など内部からの漏えいであるケースが大半という。

 「社員の意識の低さが最大のセキュリティホール(安全上の欠陥)」という認識を各企業が持ち始め、社員への教育活動に力を入れ始めている印象を、最近強く感じる。
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