毎朝、新聞の株式欄に見入るビジネスマンというのは、都会ならどこでも見られる光景であろう。しかし、ここアメリカでは少し様子が異なってきた。今月から、ニューヨーク・タイムズが平日の株式欄の掲載を取りやめたからだ。概況と簡単な解説だけは残されているが、個々の数字はばっさりと削除されることになった。

 公表された理由は経費節減のためとなってはいるが、実際は新聞社の面子を保つための建前であり、株式欄そのものが現実にそぐわなくなってきたことが最大の要因であることは周知の事実だ。インターネットインフラの普及により急増したデイ・トレーダーたちにとっては、1日1回それも前日の終値の掲載ではまったく情報価値がなく、また旧来の投資家たちは日々の株価に一喜一憂することはなく、これもまた意味を成さないからだ。

 ニューヨーク・タイムズ社では、今後は株式情報はweb版へ移行するとしているが、1分1秒を争うデイ・トレーダーたちは、NYSEやNASDAQのサイトで直接情報を得ているのであろう。いずれにせよ新聞が果たしてきた古くからの役割に、また1つ終止符が打たれることとなったわけだ。(ニューヨーク発)