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電話で年間10億円稼ぐ凄腕

2006/09/25 15:27

週刊BCN 2006年09月25日vol.1155掲載

 顧客をサポートする「コールセンター」といえば、大概は「コストセンター(非収益部門)」である。だが、業務ソフトウェア大手の弥生が大阪・南港地区に置く「カスタマーセンター」は、「有償サポート会員を増やす有力なプロフィットセンター(収益部門)となっている」(早乙女尚取締役)という。

 2年前に同センターでは、「インバウンド」(操作質問など顧客から電話を受け付ける業務)だけでなく、サポート契約獲得を目指す「アウトバウンド」の業務を開始した。ユーザー登録し、3か月間の無償サポート期間を過ぎた新規契約者などに対し、「サポートが切れれば、制度変更などの情報が入りませんよ」などと粘り強くアプローチし、有償サポートへの勧誘をしている。

 今年度(2006年9月期)は、新規有償サポート獲得高だけで、10億円を超える見込みだ。この金額を含めた全体の売上高から、同センターの人件費や運営費など販売管理費を差し引いても、売上高が大幅に上回る。アウトバウンドのコール数は、年間約30万件。これを担当者10人程度でこなす。1人当たり年間1億円を稼いでいる計算になる。

 弥生の売上高は今年度、80億円以上を計上する見込みだ。この半分を「有償サポート」(現在約12万件)の売り上げが占める。業務ソフト市場は年々縮小傾向にあるが、この仕組みがあれば、弥生は安泰といえる。
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