ソフトウェア界には「組み込みソフト」と呼ばれる分野がある。高機能が当たり前となった携帯電話や生活家電を中心に、この市場は日本が世界で一番活況であることはよく知られている。

 このような状況から多くの組み込みソフト開発会社は日本市場を目指し、シェア争いを演じてきたのだが、現在ではその状況に少し変化が現れてきている。米国での新世代携帯電話の普及と、高機能家電の好調な売れ行き、そしてハイブリッド化など自動車関連での要求がこれまでより高まってきたためだ。

 もちろんこれらの多くはインドや中国を中心とする東南アジア諸国でのオフショア開発が主流だ。しかし家電や自動車などへの組み込みソフトはその地域での生活習慣などを知らないまま開発をした場合、思わぬトラブルを誘発するケースも多い。そのため、今後組み込みソフトへの要求水準が高まるにつれ、それぞれの自国内での開発が必須となるケースも増えていくものと考えられている。

 日本が唯一輸出をしているソフトは組み込みソフトだ。このような機会を逃すことなく、先進的な日本の技術を諸外国へと売り込んで欲しいものである。(ニューヨーク発:ジャーナリスト 田中秀憲)