昨年、業績で明暗を分けたNECと富士通。減速したNECの矢野薫社長が昨年末に語った今年の事業戦略や、好調だった富士通の黒川博昭社長が記した「年頭挨拶」には、1つの共通点がある。モバイル端末やRFID(ICタグ)など「ユビキタス」に関連したソリューションの拡大を期待しているのである。

 黒川社長は、企業のITシステムは「現実社会の写像という段階を迎えている」と指摘。ユビキタス社会が「写像の範囲を拡大している」という。ITの利活用は、基幹システムに加え、企業活動のあらゆる分野に波及するとみている。

 一方、矢野社長も「ユビキタス社会」のインフラとしてNGN(次世代ネットワーク)がITと融合することで、「ビジネスモデルの変革」「企業リスクの強化」など、新たなニーズを掘り起こせると期待している。

 企業の基幹システムには「統合化の波」が押し寄せ、SI関連のビジネスを押し上げるなど、すでに需要はある。しかし、爆発的に需要を生み出すほどではない。いまや、社外からモバイル端末で電子決済したり、顧客情報を取得するなどは当り前になりつつある。

 両社は、持ち前の「総合力」を生かし、ユビキタス環境や業務アプリケーション、NGNなどを組み合わせたソリューションを編み出し、データと音声が統合される時代の成長を確かなモノにしようとしているようだ。