製品・サービスを評価する指標として、記者は販売実績とともに「どの企業に採用されたか」を重視する。販売実績が低くくても、ITに先進的な企業に採用された場合の価値は大きい。だから、大半の記者は名だたる企業ユーザーの事例取材をしたがる。

 マイクロソフトが新OS「Windows Vista」を法人市場に投入してから約8か月が経った。プロダクト担当者は、「昨年度(2007年6月期)の目標は達成した」というが、具体的な販売実績は明かさない。どの程度評価されているかを知るために、「事例取材をしたい」と申し込んだ。しかし、答えは「(事例はあるけど)今は難しい」。その理由は、マイクロソフト特有のものだ。

 OSは重要なインフラを担うだけに、企業は通常、テストに数か月をかける。テスト期間が終わった頃は3月期企業の年度末でユーザーは忙しく事例取材に時間をさいてくれない。ユーザーがひと段落した頃には、今度はマイクロソフトの期末(6月)がやってくる。マイクロソフトの営業担当者が血眼になって仕事している最中。事例取材の調整どころではないというわけだ。

 「この傾向はこれまでのOSの時も同じ。これからは、ユーザー事例をどんどん出していきたい」と担当者は余裕のコメント。Vistaが法人市場に浸透しているか。この秋までのユーザー事例記事の内容と件数に注目したい。(鈎)