▼昨年2月以来、前年割れが続くPC市場に光明が見えてきた。Vista発売から5か月を経て、ノートの金額伸び率が回復しつつある。背後にあるのは、比較的高額なPremiumモデルの伸長だ。低価格一辺倒であった市場が少しずつ変わり始める兆しがある。

▼同じ傾向はデジタル家電の分野にも現れている。大画面化と同時に年間30%前後の値下がりを続けてきた薄型テレビの単価が、3月以降わずかだが上昇に転じ始めた。ハイビジョンの販売構成比が95%に達する一方で、ひとクラス上のフルHD対応製品が急速に伸びているためだ。消費全体の回復がそれほど堅調でないことからすれば、高額商品が売れ始めたというより消費者の二極化が進んできたとの解釈のほうが正確かもしれない。しかし、少なくとも長かった安値指向の呪縛が緩み始めていることは確かだ。

▼BCNランキングの上位は、おおむね普及価格帯の商品が占める。開発者が気合いを入れた高機能商品や、需要を先取りした先進的な商品は表面に現れにくい。しかし、実需の先を読むのであれば、むしろ普及価格帯以外の動きに注目すべきだろう。そうした観点に立ち、先週から価格帯別や用途別のランキング情報をWebで公開することにした。量販ボリュームゾーンの下で、どんな変化が起こっているのか。プロ向けの詳細なランキング情報を一般消費者にも公開することで、IT業界にも価格指向に変わる新しい風を呼び込めればと念じている。