Letters from the World

iPhoneで変わる広告戦略

2007/10/08 15:37

週刊BCN 2007年10月08日vol.1206掲載

 いささか旧聞に属するが、今年8月初めにマイクロソフトがオンライン広告大手のアクアンティブ社を買収した。買収額は7000億円以上と大規模で、これまでのところマイクロソフトにとって最大の買収案件だという。

 現在、ネット広告はいくつかの大手によって市場が形成されており、その市場の成長が期待されている。グーグルはダブルクリックを買収し、業界の主力であるバイアコムやライトメディアはヤフーと、そしてオーバーチュアはグーグルとそれぞれ提携を結んでいる。

 iPhoneの爆発的なヒットにより、今後は各個人あてに映像や音声を付帯した広告を直接送り届ける方法が主流となると考えられており、そのための基盤づくりを各社とも早急に推し進めているところだ。

 有力な収入源となる広告分野は、iPhoneという新しい人気ガジェットによって、大きく様変わりするだろう。今後は緻密なマーケティングによるきめ細かい広告宣伝が、ネット経由で直接各個人に向けて働きかけられることになる。かつてテレビやラジオが各家庭に普及したときと同様、今新しい動きが生み出されようとしているのだ。(ニューヨーク発)
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