なんでこの業界は、商品やサービスの値段が下がり続けるのか──。

 原油や原材料高、人件費の高騰で市民の消費財の値上げが相次ぐなか、SI業界の商品やサービスは、価格下落に歯止めがかからない。SIer経営者からは、「なんでうちの業界は」と、嘆息が漏れ聞こえてくる。

 顧客企業はコスト高を少しでも吸収すべく、IT投資の見直しを進める。ハード・ソフトの両面で値下げ圧力が強まっており、競争が激しいSI業界では、これに応えざるを得ない。

 幸か不幸か、IT業界には値下げできる要因が、次から次へと新しく出てきているのだ。

 サーバーなどハードウェアは統合して効率化。ソフトウェアはSaaSや共同利用などで価格を半減。どうしても開発しなければならないプログラムはコスト競争力のあるインドや中国のSIerがてぐすね引いて待つ。

 システム運用を効率化する仮想化技術や、集積度を大幅に高めることが可能なブレードサーバー、SaaSを支えるSOA。なるほど、この業界にはTCO削減のスキルが盛りだくさんである。

 技術の進歩が早いだけに、買い換えサイクルも短く、よってSI業界は潤ってきた。一方、常に性能あたりの価格下落はついてまわる。あちらを立てれば、こちらが立たず。いい面とそうでない面は、表裏一体というわけか。(寶)