▼日本のPC産業にとって、新たな黒船来襲という構図が濃厚になってきた。台湾のASUSが火付け役となった低価格ミニノートが、PC市場全体の勢力図を揺るがしかねない情勢となってきたからだ。商機ありと見込んだ海外勢は日本HP、日本エイサー、DELLと相次いで5万円台のミニノートに参入。国産勢が手をこまねいている間に、そのシェアはノートPC全体の20%を超えるに至った。

▼海外勢がシェアを伸ばすデスクトップPCと異なり、ノートPCは日本独自の市場を形成してきた。国産勢が得意とする高密度技術を背景に、高機能モデル中心の品揃えをはかってきたからだ。しかし最新の低価格ミニノートは、機能は「そこそこ」でも、家庭用のメインマシンとして活用できる仕様は満たしている。低価格の「そこそこ」機能でも実用には十分という意識がユーザーに定着すれば、ノートPC市場は大きく変貌せざるを得ない。

▼低価格化の影響は、超小型モデルだけにとどまらない。焦点となっている現在のミニノートの液晶サイズは7-8インチ止まりだが、来年前半には10インチ前後で8万円台の商品が登場しても不思議ではない。海外メーカーにとっては、世界市場で通用する汎用的な製品であれば、圧倒的な価格の優位性を打ち出せる。国内中心の日本メーカーは、それにどう対抗するのか。看過すればミニノートを足がかりとして、上位領域のシェアも切り崩されかねない。きわどい踏み絵を迫られている。