デジタルマルチメディアベンダーであるサイバーリンクの尾藤伸一社長(写真)は、コンシューマ市場のマーケティング手法の現況に苦言を呈する。「当社のコンペティターも含めて、あそこのソフトがだめですよとか当社のほうが安いですよなど、競合他社の批判が多い」という。だが「ビジネスとして考えるならば、競合他社は市場を切り開く同志でもある」ともいう。

 「海外の大手ITベンダーは、たとえ仲が悪くても、『お客さま視点』というものがある」というのだ。「すべてを自社で作ろうとせずに、当社はエンジンを作るので、あなたの会社でこのエンジンを使ってみたらどうかということがあってもいい」と指摘する。もっと高次元のマーケティングを当たり前にしないと業界は伸びていかないと警鐘を鳴らす。

 「例えばPCの電源をいれたら、その後は各メーカーばらばらでもいいはず。Linuxのボタンを押したらLinuxが立ち上がるし、WindowsならばWindowsが立ち上がればいい。世界中のPCの大半はOSが決まっているのが問題。ユーザーから見たらLinuxでもWindowsでも選択肢があったほうが面白い。この業界にはまだまだ新しいことに挑戦できる余地がある」と意欲満々だ。